And Also The Trees-Biography

And Also The Treesは、英国南西部Worcestershire(ウースターシャー州)にある小さな村のInkberrow(インク
ベロウ)出身で、現在のメンバーは以下のとおりである。

# Simon Huw Jones-Vocal
# Jo Justin Jones-Guitar
# Steven Burrows-Bass
# Paul Hill-Drums

# Mark Tibenham(he joined ' Shaletown' as piano & harpsichord and as keyboard in 'Farewell To The Shade' )
# Emmer Brown(Live Guest Musician-Keyboard & percussion)


結成は1979年で、当初BassはDrのNickの兄弟(Graham)が担当していたが、メンバー間のトラブルにより脱退しその後、デビュー当時より彼らのファンであった、Steven BurrowsがBassとして加入することとなった。その直後に、AATTはFuture Records(後のReflex Records)と契約を交わしている。1981年、The CureのSupport Bandとして国内ツアーに参加し、The CureのLorence Tolhurstのプロデュースにより、"Shantell"(1983)、"And Also The Trees"(1984)をリリースする。
その後、彼らは"Virus Meadow"(1986)、"The Evening of 24th"(1987)(これは、スイスローザンヌで1986年10月24日に行われたLiveを収録したものである)、"The Millpond Years"(1988)、"Farewell To The Shade"(1989)をReflex Recordよりリリース後、レコード会社を移籍し、一時期Troy Record(US)に在籍するが、再び移籍し、NORMAL(Germany)に移籍後、再度同Labelから離れた。現在は自主制作の形をとっているようである。(distributorはEFAである。)
Labelの移籍が相次いだAATTであるが、中でも"Farewell~"をリリースした時期が最もLabelとの契約で混乱していた時期であり、同作品はReflex, Troy, Normal(日本盤はテイチクレコードより、CDのみリリース。)のそれぞれからLP、CDがリリースされているのである。
推測ではあるが、この時期、彼らは米国でのプロモーションを視野に入れていたようである。事実、レコード会社向けのデモテープやプレスグッズなども作成されているのだが、これが実際、どの程度、配布されたものなのか、レコード会社の反応が如何なるものであったのか、詳細は不明である。
移籍を繰り返したAATTではあるが、12inch EP"The Pear Tree"(1989年リリース)のプロデュースをRobert Smithが手がけているなど、The Cureとの関係が完全に切れた訳ではないようである。(実際、The CureのOfficial Siteにおいて、R.Smithの好きなバンドに1番に挙げられているようである)

"Farewell To The Shade"リリース後、Justinは従来のマンダリン奏法を止めた。
彼が何を思ってそれを止めてしまったのかは定かではないが、これにより、彼らの音楽性は変化を遂げ、それまでの退廃的で、心の内面に向かって発せられるような内省的かつリリカルな面を強調した、あたかもSimonの詩の朗読に寄り添うようなインストゥルメントは希薄となり、従来のロマンシズムに満ち溢れた音楽性はそのままに、力強いメロディラインが前面に押し出されるようになったように思われる。
以降、"Green Is The Sea"(1992)、ベスト盤"From Horizon To Horizon"(1993)、"Klaxon"(1993)、"Angelfish"(1996)、cd-single "Nailed"(1998)、"Silver Soul"(1998)をリリース。この作品より、Nick Havasの代わりにPaul HillがDrとして参加している。(Nickは一部の曲でPercussionで参加している。)
彼自身はバンドを離れたくなかったようなのだが、生計を立てるために、別の仕事(デザイナー)をみつけたようで、Simon曰く、まともな生活を送りたかったらバンドなんてやってられないだろう、と、冗談とも本気ともつかないような発言を事もなげにしていた。
そして、5年のブランクを経て、"Further From The Truth"(2003) リリース。前作とは異なり、Keyboardの多用をやめ、GuitarとBass中心の、メロディ重視の音作りとなっている。その2年後には、彼らの17年間の活動の集大成である、ベスト盤"1980-2005"(2005)をリリースする。2年後の2007年には"(Listen For )The Rag And Bone Man"をリリースし、2009年に全編アコースティックギターでギターの素朴な音色が印象的な"When The Rains Come"をリリースし、現在に至っている。
”(Listen For)The Rag and Bone Man”は、前作”Further From The Truth”の音楽性を継承しつつも、より成熟した、深みのある音作りがなされている。"When The Rains Come"では、アコースティックの音色で構成されたシンプルかつ歌の素朴で曲の質の良さが感じられる作品となっている。個人的には、彼らの音楽は冬のイメージが強いように思える。冷たく澄んだ空気に、淡い陽の差す静謐な風景、彼らの音楽にはそんな風景がよく似合うような気がする。

AATTの創り出す音というのは、常にある一定の緊張感を伴っていて、初期のそれは心霊的なものにInspireされた、ごく内省的なLyricの創り出す世界観に深みを与えている。それは彼らの故郷であるInkberrow、そこでの環境に培われたJones兄弟の独自の感覚に基づくものであり、常日頃からよく聴いているという、映画のサウンドトラックや、クラシック等をベースとした音作りがなされている。一方、詩は時に古より歌い継がれた童謡の類であったり、カミュやハックスレー、クーパーなどの文学作品からの影響であったりである。

Simonは結婚後、スイスを拠点としているらしく、そこにあるレコード・ショップのオーナーの好意により、そのスタジオを曲作り(彼の場合は作詞)の為に使用しているらしい。

聴くほどに、とても英国らしい、英国でしか創り出せない音であると感じさせられるにも関わらず、英国での評価はヨーロッパほどには高くない。殊にドイツ、フランスでの評価は高い。初期のAATTに対する評価は常にThe Cureを引き合いに出されたものであったが、"Farewell〜"以降、その音楽性はやや変貌を見せ、あたかも詩を朗読するかのごときSimonのVocalは健在であるが、初期に見られた、Nick Caveのような慟哭の叫びに満ち溢れた曲調のものは影をひそめている。現在のAATTはトランペットやピアノ、オルガンを積極的に取り入れたJazz的要素が加わり、また映画のサントラのようなムーディーな雰囲気を持つ要素も合わせもつ、よりメロディアスなものに変わりつつある。
例えて言うならば、NYのJazzClubに迷い込んだ英国文学青年と言ったところか。
とはいえ、初期のメローなギター(個人的には現在も変わっていないと思うのだが)、Simonのストイックな響きをもつVocal、その重厚な音作りに魅せられていた人々にとっては、多少なりとも違和感を感じるものなのかも知れない。然し、流行に左右されることなく、我が道を行く彼らの姿勢はデビュー当時から変わることがない。 最近では、メンバーが個々にプロジェクトやソロ活動にも力を入れており、Simonは、Young GodsのBernard Trontinと共に、Novemberというプロジェクトを結成し、現在までにアルバム1枚をリリースしている。Justinは最近は、DrのPaul Hillと組んで、自主制作の短篇映画を作ったりしているが、12、3年ほど前には、Mark Tibenhamらと共に"Gods of Luxury"(現在は解散)というプロジェクトを結成し、シングル1枚、アルバム1枚をリリースしている。























(updated-Oct. 2010)



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Clockwise left to right: Paul Hill, Jo Justin Jones, Steven Burrows, Simon Huw Jones
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